2013年8月22日木曜日

再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の導入・認定状況(2013年5月末)

再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の最新の導入・認定状況が経済産業省から公開されました。

経済産業省:再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表します(5月末時点)
http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/dl/setsubi/201305setsubi.pdf

今回は3、4、5月の3ヶ月分のデータを同時公開です。このデータを使ってグラフを更新しました。

2013年2月末時点でのグラフはこちら↓
http://www.news.enestudy.com/2013/07/blog-post.html

種類別・再生可能エネルギー固定価格買い取り制度開始後の導入・認定量(2013年5月末時点)
new installed renewable capacity Japan

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5月末で非住宅用太陽光(10kW以上)の認定容量は1937万kWと突出して高くなっています。これに対し、すでに運転開始した設備は166.7万kWで約9%。

再生可能エネルギーの累積認定・導入量比較(2012年7月~)

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認定量は2013年3月まで急伸を続けたものの、4月以降ピタリと止まりました。導入量は一定のペースで増えていますが、認定量と比較すると非常に小さくなっています。

非住宅用太陽光(10kW以上)の単月認定・導入量推移(2012年7月~)

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非住宅用太陽光の単月での認定・導入量の推移です。2013年2月の単月の認定容量は約520万kW、3月には約770万kWと非常に大きな伸びを見せたものの、4月には約40万kWまで急落しました。初年度の高い買取価格(42円/kWh)を確保しようという駆け込み認定が起こり、その反動で4月以降の認定量が落ち込んだと見られます。

また、経済産業省では、非住宅用太陽光において着工が遅れている案件について調査を開始するとしています。

固定価格買い取り制度:太陽光発電、実態調査へ…経産省(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130821k0000m020089000c.html

「FIT導入当初の高い買い取り価格(1キロワット時当たり42円)の権利だけ確保し、当面は発電する気のない業者がいるとみられる」と。こちらの背景については、下記記事をご参照ください。

再生可能エネルギー固定価格買取制度:価格決定のタイミング
http://www.news.enestudy.com/2013/07/blog-post_8.html


関連ページ
資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー:固定価格買い取り制度
http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/index.html
再生可能エネルギーの導入・認定状況(2013年2月末時点)
http://www.news.enestudy.com/2013/07/blog-post.html

2013年8月8日木曜日

四国電力の値上げについて(通常料金とオール電化)

家庭電気料金:3社の値上げ認可 9月1日から実施
毎日新聞 2013年08月06日http://mainichi.jp/select/news/20130807k0000m020017000c.html
茂木敏充経済産業相は6日、北海道電力、東北電力、四国電力の3社が申請していた家庭向け電気料金の値上げを認可した。値上げ幅は北海道電が平均7.73%、東北電が8.94%、四国電は7.80%。料金体系を抜本的に見直す値上げは東北電と四国電が33年ぶり、北海道電が32年ぶり。いずれも9月1日から実施する。

四国、東北、北海道電力の家庭向け電気料金値上げが経済産業省に認可されました。いずれも9月1日からの実施です。各社で値上げ率や料金設定には差がありますが、ここでは四国電力の新旧料金についてみてみます。

四国電力プレスリリース:電気料金値上げ認可の概要について(pdf)
http://www.yonden.co.jp/press/re1308/data/pr001-01.pdf

四国電力・新旧電気料金比較 単位(円)

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通常料金の従量電灯Aでは、1ヶ月の使用量が11kWhを超え120kWhまでは0.89円/kWh(4.8%)の値上げなのに対し、120kWh~300kWhは1.35円/kWh(5.53%)、300kWh超過分は2.62円/kWh(9.89%)と使用量が多いほど値上げ率が大きくなっています。


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これは、「生活に必要不可欠な電気のご使用への値上げ影響を緩和するため、第1段階料金の値上げ幅を相対的に小さく設定する一方、省エネルギーを促進する観点から、第3段階料金の値上げ幅を大きく設定しております」とのこと。

従量電灯Aでは、最大9.89%値上げですが、オール電化料金の季節別時間帯別電灯(電化Deナイト)では、昼間で約9.2%、夜間は23.9%と値上げ率が大きく設定されています。これは料金値上げされた他の電力会社と同じ傾向です。

値上げ影響額(例)

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従量電灯Aでは使用量600kWh/月の家庭で1ヶ月1135円(7.6%)の負担増。オール電化家庭では、630kWh/月(昼間375kWh、夜間255kWh)の場合、1256円(10.7%)の値上げとしています。ただし、オール電化では昼夜の使用比率や季節による使用量の差で大きく料金が違ってきます。また、この試算はエコキュート(2kW)の場合。前回、「電気温水器とエコキュートの電気使用量」で書いたように、電気温水器ではエコキュートの約3倍の電気使用量となることから、値上げの影響はさらに大きくなります。


関連ページ
四国電力 電気料金値上げのお願い(規制部門)
http://www.yonden.co.jp/denkiryoukin/kisei/
電気料金値上げシミュレーション
http://www.yonden.jp/shisan/page/a100;jsessionid=322B315C41CD65E7F2B522D80BE1784B?0

電気温水器とエコキュートの電気使用量(当コラム内)
http://www.news.enestudy.com/2013/06/blog-post.html