2015年3月30日月曜日

2015年度の再エネ賦課金は1.58円/kWhに決定

再生可能エネルギーの固定価格買取制度における2015年度の賦課金単価が1.58円/kWhに決定しました。

経済産業省 再生可能エネルギーの平成 27 年度の買取価格・賦課金を決定しました。
http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150319002/20150319002.pdf

賦課金単価は2014年度の0.75円/kWhから2.1倍となりました。この賦課金は原則として全ての電力購入者の電気使用量に応じて電気代に上乗せされることになります。(電力多消費企業には減免あり)

賦課金の根拠は下記のとおり。


経済産業省 平成27年度調達価格・賦課金単価について
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/010_05_00.pdfより

前年度と比べ買取金額が9000億円から1兆8370億円と約2倍に増加しています。この原因としては「非住宅太陽光の導入量の拡大・稼働率の向上による買取電力量の増加• 26年度までに見込みを上回って導入が進んだことに伴う不足分」を挙げています。前年度(2014年度)の賦課金0.75円/kWhでは不足が1664億円発生しており、この分も2015年度に回収するということです。

また、販売電力量の想定は8670億kWhから8366億kWhへと約3.5%減少させています。賦課金単価は固定価格買取制度にかかる費用を販売電力量で割ったものなので、販売電力量が減ると賦課金単価が増えることになります。節電や自家発電などにより販売電力量が減少することも賦課金単価が上がる要因となっています。

前述したとおり、賦課金は電気使用量に応じて電気代に上乗せされます。電気料金単価が低いオール電化の夜間電力や業務・産業用電力では賦課金による電気代の上昇率が高くなってしまいます。夜間電力単価が10円/kWhとすると、賦課金で約15%の値上げ。電気を多く使う家庭・企業ほど影響は大きくなるので注意が必要です。


*製造業など一定の条件を満たす電力多消費事業者については減免制度もあります。

再エネ賦課金減免制度について
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/nintei_genmei.html



関連ページ
固定価格買取制度 導入状況公表ページ
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー:固定価格買い取り制度
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/index.html

当コラム内
固定価格買取制度 非住宅用太陽光の認定量と取り消し量の推計
http://www.news.enestudy.com/2014/12/blog-post.html
再エネ固定価格買取制度(FIT)の認定・導入状況(2014年6月末時点)
http://www.news.enestudy.com/2014/10/fit20146.html
2014年5月のFIT太陽光認定取り消し・廃止は33万kW以上に
http://www.news.enestudy.com/2014/09/20145fit33kw.html
再生可能エネルギー固定価格買い取り制度 非住宅用太陽光(10kW以上)の単月認定・導入量の推移(2014年4月末まで
http://www.news.enestudy.com/2014/08/1020144.html
固定価格買い取り制度・FIT
http://www.news.enestudy.com/search/label/%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%B2%B7%E5%8F%96%E5%88%B6%E5%BA%A6%EF%BC%88FIT%EF%BC%8

2015年3月19日木曜日

四国電力の電気料金単価の推移(従量電灯・夜間電力)

昨年も同様のことを書きましたが、今年も冬に電気代が上がったという話をよく聞きました。特にオール電化など電気温水器やエコキュートを使用している家庭で電気代が上昇しているようです。では、いったいどのくらい電気代は上がったのでしょうか?2005年から2015年にかけての四国電力の電気料金単価を調べてみました。

四国電力 電気料金単価の推移(従量電灯A各区分、夜間電力)

(消費税、燃料費調整単価、太陽光、再エネ賦課金を含む。画像クリックで大きく見られます)


四国電力では、2013年9月に電気料金が値上されましたが、それ以前から電気料金単価はじわじわと上昇しています。特にオール電化等の夜間料金は上昇率が大きくなっています。


四国電力 電気料金単価の比較(2005年、2015年3月)

(消費税、燃料費調整単価、太陽光、再エネ賦課金を含む。画像クリックで大きく見られます)

2005年3月の夜間料金は7.34円/kWh(燃料費調整単価、太陽光付加金、消費税込)でしたが、2015年3月には12.42円/kWhと10年で約1.69倍になりました。これは電気料金の改定で通常料金である従量電灯に比べて夜間料金の値上率が高く設定されたことに加え、燃料費調整単価や再エネ賦課金が昼夜に関係なく1kWhに対して上乗せされていることに起因しています。

これから約20年にわたり再エネ賦課金は上昇し続ける見込みです。20年後に電気料金はどのような価格になっているでしょうか?長期間のエネルギー価格や動向を推測することは困難ですが、少なくとも電力自由化で電気代が下がると楽観できる状況ではないと考えています。


関連ページ
関西電力 電気料金単価の推移 2005年との比較
http://www.news.enestudy.com/2015/10/2005.html
関西電力 電気料金単価の推移(従量電灯、夜間料金)
http://www.news.enestudy.com/2015/10/blog-post.html
四国電力の値上げについて(通常料金とオール電化)
http://www.news.enestudy.com/2013/08/blog-post.html
電気代の上昇について(値上げ、燃料費調整、再エネ賦課金)
http://www.news.enestudy.com/2014/02/blog-post.html
エネルギーの価格 (灯油、都市ガス、プロパンガス、電気)
http://www.news.enestudy.com/2013/11/blog-post.html
電気温水器とエコキュートの電気使用量
http://www.news.enestudy.com/2013/06/blog-post.html
電気温水器からエコキュートへの入れ替えによる節電効果
http://www.news.enestudy.com/2014/11/blog-post.html