2014年8月18日月曜日

再エネ固定価格買取制度 発電種別・買取電力量と買取金額の推移

前回の続きです。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する情報公開ページが設置されました。

固定価格買取制度・導入状況等の公表
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

この中に、C表として、「買取電力量及び買取金額の推移」というファイルがあります。

C表 買取電力量及び買取金額の推移(xlsファイル)
http://www.fit.go.jp/statistics/contents/C_kaitori201404.xls

今回はこのデータを使って、グラフを作ってみました。

固定価格買取制度 種類別買取電力量の推移

(画像クリックで大きく見られます)

固定価格買取制度の開始は2012年7月からですが、この時点ですでに稼動している設備も設置年数により固定価格買取制度に移行することができました。このため、初年度は既存設備が多い風力発電、住宅用太陽光が買取電力量の大部分を占めています。

日本の風力発電では冬に発電量のピークがあり、夏には少ないという特徴があり、買取電力量もこの傾向になっています。また、住宅用太陽光では5月をピークに減少しており夏の買取電力量は低くなっています。気温上昇による発電量低下に加え、住宅用太陽光は余剰買取となっているため住宅での使用電力が増える夏場は買取電力量が小さくなっているようです。

バイオマスは2013年3月から4月にかけて買取電力量が増加し、その後は安定しています。これは移行認定分の手続きがこの時期に完了したためだと思われます。

非住宅用太陽光(10kW以上)では、2013年3月ころから買取電力量が増え始め、2014年3月からは急激に増加しています。これは導入量の増加に伴うものでしょう。非住宅用太陽光は住宅用と異なり全量買取になっているため、夏の電気使用量の増加も買取電力量には影響しません。

固定価格買取制度 種類別買取金額の推移

(画像クリックで大きく見られます)

買取金額を見ると、買取電力量が多かった風力発電が比較的低くなっています。風力発電は太陽光と比べて買取価格が低い上、補助金を受けて建設された設備では補助金分が買取価格から減額されています。

非住宅用太陽光は買取電力量の増加と同様、2013年3月から買取金額も急増しています。2014年3月時点での非住宅用太陽光の平均買取単価は税込み41.4円/kWh。この時点でまだ初年度の税抜き40円/kWhで認定された設備の割合が大きいようです。非住宅用太陽光では運転開始率(導入量/認定量)が約11%と低くなっており、今後も導入量が増え、買取電力量・買取金額ともにさらに早いペースで増加していく見込みです。制度の費用や送電網への負荷をどう抑えるかが課題になるでしょう。


関連ページ
固定価格買取制度 導入状況公表ページ
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー:固定価格買い取り制度
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/index.html

当コラム内
http://www.news.enestudy.com/search/label/%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%B2%B7%E5%8F%96%E5%88%B6%E5%BA%A6%EF%BC%88FIT%EF%BC%89

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