2016年2月18日木曜日

電力自由化の注意点1 急いで電力会社を変更する必要はない

前回、「電力自由化に便乗した強引な勧誘、悪徳商法に注意!」として、国民生活センターの資料を基に記事を書きました。今回は電力自由化の注意点です。

1、必ずしも電力会社、電力メニューを変更する必要はない。

新電力、既存大手電力の新メニューなど発表が相次いでいますが、今までの契約は2016年4月の電力自由化後も引き継がれるので、必ず電力会社、メニューを変更しなければならないというわけではありません。電気使用量の低い世帯では新電力への切り替えではほとんど差が出ず、むしろ高くなるケースもあります。また、オール電化世帯では既存契約の方が有利です。

電力自由化とオール電化 東京電力 新旧オール電化向けプラン比較-
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_13.html

2月8日の日経新聞に、東京電力がさらに値下げを検討しているという記事が掲載されていました。

東電社長「春にも追加値下げ検討」 自由化で提携先拡大
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO97036150Y6A200C1TJC000


新規参入組、大手電力会社、セット販売など、電力小売自由化の開始前から価格競争を行っている状態で、制度の開始後、さらなる料金改定や新メニューが登場する可能性があります。また、燃料費調整単価など運用方法がはっきりしない部分もあります。

電力自由化 新電力と燃料費調整単価
http://www.news.enestudy.com/2016/02/blog-post.html

制度がまだ始まっていない今、焦って電力会社を変更する必要はありません。実際に運用が始まり、料金メニューや各電力会社の特徴、付加サービスや問題点などの情報が出揃った上で、自分の電力使用状況に合った電力会社、メニューを選択することをお勧めします。


関連ページ
電力自由化に便乗した強引な勧誘、悪徳商法に注意!
http://www.news.enestudy.com/2016/02/blog-post_17.html
電力自由化 新電力と燃料費調整単価
http://www.news.enestudy.com/2016/02/blog-post.html
電力自由化 四国電力の新料金プラン
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_15.html
電力自由化とオール電化 東京電力 新旧オール電化向けプラン比較
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_13.html
東京電力の家庭向け新料金プラン スマート契約について
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post.html
関西電力 電気料金単価の推移(従量電灯、夜間料金)
http://www.news.enestudy.com/2015/10/blog-post.html

2016年2月17日水曜日

電力自由化に便乗した強引な勧誘、悪徳商法に注意!

電力の小売全面自由化まで、50日を切りました!-正確な情報を収集し、契約内容をよく理解しましょう!便乗した勧誘も気をつけましょう-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160212_1.html
国民生活センター 2016年2月12日:公表

4月の電力小売自由化が迫り、国民生活センター、消費生活センター等への強引な勧誘などのトラブル相談が増えているとのことです。

電力自由化をめぐるトラブル速報!No.2
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160212_1.pdf

事例

○電力会社を名乗る人物から電話があり、「光熱費のお得なプランの案内に行く」と言われ電気の自由化の話かと思い業者の話を聞いたが、給湯器の勧誘だった
○訪問販売で「電力自由化で電気料金が上がるから」と勧誘されて高額な太陽光発電システムの取り付け契約をしてしまった
○電力会社の提携会社と名乗り「自由化で料金が安くなる。そのための調査だ」と言われ、同意書に署名した
○ケーブルテレビ会社が来訪し、インターネット、電気、テレビ、電話をセットで契約すれば値引きになると1時間以上も勧誘された
○携帯電話会社から電力自由化に伴い料金見直しを勧めるメールが届いた

最後の事例を除き家庭への訪問営業で、電気代が必ず安くなる、大幅に安くなるといった営業トークには要注意です。太陽光発電、給湯器、蓄電池、プロパンガス等の販売として電力自由化を利用している例が見受けられます。


国民生活センターからのアドバイス

○「電力会社を変えると新たに電線を引かなくてはいけない」「契約した会社が倒産したら電気は止まってしまう」といった説明はうそ。
○訪問販売、電話勧誘で電力供給契約を結んだ場合クーリング・オフが可能。
○「料金が安くなる」「ポイントで還元される」などと勧誘された際には、どのような条件で安くなるのかよく確認しましょう。
○勧誘している事業者が「登録小売電気事業者」かどうか確認しましょう。(下記HP)

資源エネルギー庁ホームページ:登録小売電気事業者一覧
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/4


4月の電力自由化開始後には、さらに勧誘などのトラブルが多発する恐れがありますので十分ご注意ください。強引な勧誘、契約等でのトラブルがありましたら、下記の相談窓口に相談を!


電力自由化に関する相談窓口

資源エネルギー庁 0570-028-555
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/
電力取引監視等委員会 相談窓口 03-3501-5725
http://www.emsc.meti.go.jp/general/consult.html
最寄の消費生活センター(電話番号 188)


関連ページ
国民生活センター 電力小売り全面自由化 便乗商法に注意して
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20151217_0.html
資源エネルギー庁 電力小売全面自由化
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/
電力取引監視等委員会 騙されないで!電力小売全面自由化5つの嘘
http://www.emsc.meti.go.jp/info/liberalization/uso/
電力取引監視等委員会 電力自由化 よくある質問
http://www.emsc.meti.go.jp/info/faq/index.html

電力自由化 新電力と燃料費調整単価
http://www.news.enestudy.com/2016/02/blog-post.html
電力自由化とオール電化 東京電力 新旧オール電化向けプラン比較
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_13.html
東京電力の家庭向け新料金プラン スマート契約について
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post.html
関西電力 電気料金単価の推移(従量電灯、夜間料金)
http://www.news.enestudy.com/2015/10/blog-post.html
関西電力の電気代再値上げについて
http://www.news.enestudy.com/2015/06/blog-post.html
四国電力の電気料金単価の推移(従量電灯・夜間電力)
http://www.news.enestudy.com/2015/03/blog-post.html

2016年2月1日月曜日

電力自由化 新電力と燃料費調整単価

4月からの電力自由化で新電力、大手電力会社ともに新メニューを発表しています。ここで注意が必要なのが燃料費調整単価です。


東京電力 電気料金の算定方法
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/fuel/about-j.html

燃料費調整制度は、原油・LNG・石炭の燃料価格を市場の動きに合わせて月々の電気料金に自動的に反映させる制度。毎月決まる燃料費調整単価を電気料金単価に上乗せ、または差し引いて電力量料金を計算します。上記図の算定方法を簡単にすると、下記の式になります。

電気料金=基本料金+電気使用量 x(電力量単価±燃料費調整単価+再エネ賦課金)

総括原価方式で規制されている電気料金に対し、燃料価格の変動を迅速に料金に反映させ、事業者の経営環境の安定を図ることを目的としてこの制度が導入されました。各電力会社の燃料構成を元に基準燃料価格、平均燃料価格の計算式が決められており、貿易統計価格から自動的に料金調整される仕組みです。

経済産業省 燃料費調整制度 電気
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/

各電力会社によって、燃料構成は異なるため、燃料費調整単価も異なっています。2016年3月の燃料費調整単価は東京電力がマイナス2.30円/kWh、中部電力はマイナス3.25円/kWh。原油等の価格下落に伴いマイナス調整(電気代が安くなる)となっており、中部電力と東京電力では約1円の差が出ています。

東京電力 燃料費調整単価
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/fuel/adjust/index-j.html
中部電力 燃料費調整単価
http://www.chuden.co.jp/home/shikumi/nencho/nen_price/3259095_25890.html

ここで問題になるのが、新電力での燃料費調整単価。東京ガスでは「電力会社の電気料金との価格差が変わらないようにするため、ほぼ同等の変動を電気料金に反映させていただいております」としており、東京電力と同じ燃料費調整単価を用いることにしています。

東京ガス 電気料金 燃料費調整制度
http://home.tokyo-gas.co.jp/power/ryokin/shikumi/chousei.html

その他のほとんどの新電力は燃料費調整単価、計算式をまだ公表していません。現在、発表されている新メニューでの電気料金単価の差は小さく、燃料費調整単価によっては、お得度が変わってくることもあるでしょう。当初は供給地域の大手電力会社と同等の燃料費調整単価を用いることにした場合でも、実際の燃料構成とは異なるため持続的な料金体系とはならず変更になる可能性もあります。電力会社を選ぶにあたっては、電力メニュー、電気料金単価だけではなく、燃料費調整単価がどのように決められ、運営されていくかも考慮する必要があります。



関連ページ
電力自由化 四国電力の新料金プラン
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_15.html
電力自由化とオール電化 東京電力 新旧オール電化向けプラン比較
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_13.html
東京電力の家庭向け新料金プラン スマート契約について
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post.html
関西電力 電気料金単価の推移(従量電灯、夜間料金)
http://www.news.enestudy.com/2015/10/blog-post.html
関西電力の電気代再値上げについて
http://www.news.enestudy.com/2015/06/blog-post.html
四国電力の電気料金単価の推移(従量電灯・夜間電力)
http://www.news.enestudy.com/2015/03/blog-post.html