2016年2月1日月曜日

電力自由化 新電力と燃料費調整単価

4月からの電力自由化で新電力、大手電力会社ともに新メニューを発表しています。ここで注意が必要なのが燃料費調整単価です。


東京電力 電気料金の算定方法
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/fuel/about-j.html

燃料費調整制度は、原油・LNG・石炭の燃料価格を市場の動きに合わせて月々の電気料金に自動的に反映させる制度。毎月決まる燃料費調整単価を電気料金単価に上乗せ、または差し引いて電力量料金を計算します。上記図の算定方法を簡単にすると、下記の式になります。

電気料金=基本料金+電気使用量 x(電力量単価±燃料費調整単価+再エネ賦課金)

総括原価方式で規制されている電気料金に対し、燃料価格の変動を迅速に料金に反映させ、事業者の経営環境の安定を図ることを目的としてこの制度が導入されました。各電力会社の燃料構成を元に基準燃料価格、平均燃料価格の計算式が決められており、貿易統計価格から自動的に料金調整される仕組みです。

経済産業省 燃料費調整制度 電気
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/

各電力会社によって、燃料構成は異なるため、燃料費調整単価も異なっています。2016年3月の燃料費調整単価は東京電力がマイナス2.30円/kWh、中部電力はマイナス3.25円/kWh。原油等の価格下落に伴いマイナス調整(電気代が安くなる)となっており、中部電力と東京電力では約1円の差が出ています。

東京電力 燃料費調整単価
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/fuel/adjust/index-j.html
中部電力 燃料費調整単価
http://www.chuden.co.jp/home/shikumi/nencho/nen_price/3259095_25890.html

ここで問題になるのが、新電力での燃料費調整単価。東京ガスでは「電力会社の電気料金との価格差が変わらないようにするため、ほぼ同等の変動を電気料金に反映させていただいております」としており、東京電力と同じ燃料費調整単価を用いることにしています。

東京ガス 電気料金 燃料費調整制度
http://home.tokyo-gas.co.jp/power/ryokin/shikumi/chousei.html

その他のほとんどの新電力は燃料費調整単価、計算式をまだ公表していません。現在、発表されている新メニューでの電気料金単価の差は小さく、燃料費調整単価によっては、お得度が変わってくることもあるでしょう。当初は供給地域の大手電力会社と同等の燃料費調整単価を用いることにした場合でも、実際の燃料構成とは異なるため持続的な料金体系とはならず変更になる可能性もあります。電力会社を選ぶにあたっては、電力メニュー、電気料金単価だけではなく、燃料費調整単価がどのように決められ、運営されていくかも考慮する必要があります。



関連ページ
電力自由化 四国電力の新料金プラン
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_15.html
電力自由化とオール電化 東京電力 新旧オール電化向けプラン比較
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post_13.html
東京電力の家庭向け新料金プラン スマート契約について
http://www.news.enestudy.com/2016/01/blog-post.html
関西電力 電気料金単価の推移(従量電灯、夜間料金)
http://www.news.enestudy.com/2015/10/blog-post.html
関西電力の電気代再値上げについて
http://www.news.enestudy.com/2015/06/blog-post.html
四国電力の電気料金単価の推移(従量電灯・夜間電力)
http://www.news.enestudy.com/2015/03/blog-post.html

0 件のコメント:

コメントを投稿