原発の停止、再生可能エネルギーの拡大、電気料金値上げとエネルギー関連の報道が増えています。この中で、kW(キロワット)とkWh(キロワット時)が混乱している例が多く見受けられます。
熱や電力の単位としては、ガスや灯油に使われるJ(ジュール)、cal(カロリー)、電気に使われるkWh(キロワット時)があります。これらは「エネルギー量」として、単位を変換して比べることができます。
cal(カロリー)という単位は水1gの温度を1℃上げるために必要なエネルギーとして学校で習っていましたが、SI単位系では使われません。これはエネルギー量の単位であるJ(ジュール)に変換します。
1cal=4.184J
消費電力、発電などで使われるW(ワット)はJ(ジュール)を時間(秒)で割ったもの。瞬間的な出力となります。
W=J/s
瞬間値のW(ワット)に時間(h)をかけると積算値Wh(ワット時、ワットアワー)になります。Whは電力量の単位として使われています。電気料金明細書に記載されているのもWh。
W(ワット) x h(時間) = Wh(ワット時)
1時間(h)=3600秒(s)なので、1Wh=3600Jになります。接頭単位k(キロ)は1000という意味。
Wh= W x h = J/s x 3600s = 3600J
1kWh=3.6MJ
このW(ワット)とWh(ワット時)はニュースや新聞等でもよく混乱して報道されていますが、速度と距離の関係と考えると分かりやすいかと思います。
W(ワット)は瞬間値で速度(km/h)に相当。Wに時間をかけるとWxh=Wh(ワット時)で積算値の距離kmに相当します。
W x h = Wh
km/h x h = km
消費電力100Wの機器を5時間使用した場合の電気使用量は
100W x 5h = 500Wh
電気料金単価が24円/kWhの場合、上記の電気料金は
500Wh x 24円/kWh = 0.5kWh x 24円/kWh = 12円
このように、電気料金や太陽光発電の買い取り金額はエネルギー量であるkWhにかかります。
また、アンペア契約の場合は、瞬間値である最大出力(W)によって基本料金が変わることになります。
W = V(ボルト) x A(アンペア)
10A契約の家庭で一度に使用できる消費電力Wは?
10A x 100V = 1000W
この1000Wを超えるとブレーカーが落ちてパチっと電気が止まってしまいます。このことからもW(ワット)が瞬間値ということがよく分かる瞬間です。
0 件のコメント:
コメントを投稿